ファントークン(FT)は、スポーツチームなどが発行する一種の仮想通貨です。
その役割は資産よりも投票・サービス権に近く、保有することでチームの運営決定に参加することが可能です。
この記事ではスポーツ業界で流行しているファントークンの概要と仕組みについて解説します。
なるべく簡単に解説しますね!
ファントークンとは?
スポーツにおけるファントークンは、クラブ・チームが応援ファン向けに発行している仮想通貨のことです。金融資産というよりも、運営指針に意見する投票券やイベントなどの参加権利としての役割を担います。
専門的な分類でいえば、ユーティリティトークン(特定サービスの利用権)に該当します。
ファントークンとスポーツ業界との仕組みについて
スポーツ業界が仮想通貨であるファントークンを取り入れることで、ファンとチームがより密接に関われるようになります。関係性が深まることで、結果的に人気が高まり応援するファンも増加することが期待されます。
ファンクラブ会員との違いは、年会費がないところ。毎年、有効期限が近付いたら費用を払い更新する必要がありますが、ファントークンにはそれがありません。運営指針に対して投票できる権利があるかないかも大きな違いでしょう。また、ファントークンは仮想通貨であるため売買での取引が可能です。
直接的に資金を集める意味合いでも、ファントークンはスポーツ業界において有益な存在であるといえます。
スポーツ業界が発行している主なファントークンについて
一口にファントークンといっても、その種類は様々。発行団体によって購入することで得られるメリットも若干変動します。
ここでは代表的なスポーツチームが発行しているファントークンを紹介します。
① Alpine F1 Team Fan Token (Alpine)
Alpineは、F1チーム「BWTアルピーヌF1チーム」から発行されているファントークン。F1チームで初めてファントークンを発行したことで注目を集めました。
保有することで、BWTアルピーヌF1チームに関するロゴやメインテーマ曲などの投票権が獲得できる他、NFT・ゲーミフィケーションコンテンツへのアクセス権、イベントへの参加権利などが得られます。
購入は大手仮想通貨取引所バイナンスから行えます。
② FC Barcelona Fan Token (BAR)
BARは、世界的サッカーチーム「FCバルセロナ」が発行するファントークンです。
更衣室デザインなどを決定する投票への参加権、限定グッズ購入、選手たちからのメッセージが受け取れるなどの特典があります。
FCバルセロナは世界中のサッカーファンから支持され続けている一大チーム。そのファントークンであるBARは販売から、わずか2時間で130万ドル以上の売上を達成しました。
取引はファントーク特化プラットフォームSocios.comで行われています。
③ OG Fan Token (OG)
OGは、オンラインバトルアリーナーゲームDOTA2(ドータ2)などで活躍しているeSportsプロ組織「OG」のファントークンです。
スポーツチームのファントークン同様、保有することでグッズ購入や運営決定への投票が可能となります。
ファントーク特化プラットフォームSocios.comで取引が可能です。
④Manchester City Fan Token (CITY)
CITYは、サッカー名門チーム「マンチェスター・シティFC」から発行されているファントークンです。
マンチェスター・シティFCは、サッカーにおける3大リーグのひとつで最高峰とも呼ばれるプレミアリーグで活躍している名門中の名門。そのため、CITYはファントークンの中でも人気が高い部類となります。
他ファントークン同様、チームの投票に参加したり限定グッズを購入できたりします。
⑤Paris Saint-Germain Fan Token (PSG)
世界5大リーグのひとつリーグアンの王者「パリ・サンジェルマンFC」も、PSGというファントークンを発行しています。
世界的名選手リオネル・メッシ選手が、パリ・サンジェルマンFCに移籍すると公表した際には、PSGの価値も高騰。一時的に取引量が約12億ドルを超えたとされています。
保有するメリットは、他サッカーチームとほぼ同じ。取引はSocios.comにて可能です。
サッカークラブチームの「ファントークン」を得るメリットについて
- クラブの意思決定に投票できる
- その他プレミアムな特典を受けられる
サッカークラブチームのファントークンを得ることで保有者は、意思決定に投票できる権利が与えられます。ここでいう意思決定とはロッカールームのデザイン案やスタッフの起用、テーマソングやユニフォームなど。従来であれば、関係者たちが決定していた項目に、世界中のファンたちが投票という形で参加できるようになります。
投票権以外にもクラブチームによっては、サイン入りグッズ販売やイベントへの参加、選手たちとの交流といった特典が得られます。
ファントークン一覧と確認方法
名前 | 値段 | 1h % | 24時間 %推移 | 7d % | 時価総額 | 取引高(24時間) | 循環サプライ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Alpine F1 Team Fan Token ALPINE | ¥511.23 | 1.41% | 0.25% | 50.15% | ¥5,807,559,272 | ¥9,309,571,650 18,132,712 ALPINE | 11,360,000 ALPINE |
FC Barcelona Fan Token BAR | ¥585.52 | 0.47% | 0.62% | 1.74% | ¥5,507,076,611 | ¥616,325,033 1,052,508 BAR | 9,405,445 BAR |
OG Fan Token OG | ¥1,358.52 | 6.33% | 31.31% | 13.70% | ¥5,241,053,017 | ¥41,639,895,597 30,372,810 OG | 3,857,914 OG |
Manchester City Fan Token CITY | ¥766.35 | 0.66% | 0.32% | 12.66% | ¥4,475,253,258 | ¥846,569,625 1,102,016 CITY | 5,839,709 CITY |
Paris Saint-Germain Fan Token PSG | ¥756.11 | 0.93% | 0.91% | 5.22% | ¥3,661,395,396 | ¥602,118,848 793,237 PSG | 4,842,382 PSG |
2023.4.15時点
循環供給量の合計市場価値。これは、株式市場の流通株式時価総額に比例します。
時価総額 = 現在の価格X循環供給
市場で流通し、公開されているコインの量。これは、株式市場の流通株式に比例します。
ファントークンは仮想通貨の一種であるため、金融資産として投資家たちも注目し始めています。ただ、ファントークの盛り上がりは長く続かず、次第に沈静・暴落するなど懸念の声も一部からあげられています。
純粋にクラブチームを応援したい目的で保有するのであれば、価値の変動は大きな問題ではありません。一方で資産運用のためであるならば、一定のリスクがあることは頭に入れておくべきです。
ファントークの価値を随時把握したいときは、Coin Market Capが便利です。ファントークの時価総額の変動を視覚的に把握しやすく日本語にも対応しています。
ファントークの価値も重要視している方は、定期的にチェックしてみてください。
ファントークン購入方法
ファントークンは、いくつかの取引所で購入可能です。ただ、海外の人気チームが発行しているファントークンの多くは国外の取引所を利用する必要があります。
ここでは海外スポーツチームのファントークンが購入可能な取引所を紹介します。
①Socios.com
Socios.comは、プロスポーツチームのファントークン発行に特化した仮想通貨取引所です。
数多くのファントークンが流通しており、PSG(パリサンジェルマン)や、BAR(バルセロナ)など世界的チームの通貨も取引されています。
Socios.comでファントークンを購入するには、別途で独自の仮想通貨「CHZ:chiliz」を購入する必要がある点も特徴的。CHZはSocios.com内にてクレジットカード決済で購入できる他、国内仮想通貨取引所DMM Bitcoinでも取引可能です。
ただし、海外取引所における仮想通貨のクレジットカード決済には、何かと制限がかかりやすいです。Socios.comの場合、支払い可能通貨はUSD、EUR、TRYのみとなります。事前に利用可能なカード、支払い通貨を確認しておきましょう。
②Binance(バイナンス)
海外仮想通貨取引所として知名度が高いBinance(バイナンス)でも、ファントークンの購入は可能です。
Binance(バイナンス)では世界中の仮想通貨を取り扱っており、その総数は数百種類以上と言われています。ファントークンにおいても、FCポルト(プリメイラリーガ)やアルピーヌ(F1)など世界的チームと提携を結んでいます。
Binance(バイナンス)で発行されるファントークンには、独自のブロックチェーン技術が応用されています。Socios.comではCHZとの交換がメインでしたが、Binance(バイナンス)の場合はBNB(Binance Coin)での取引となります。
2022年11月30日より、Binance(バイナンス)は日本からの新規ユーザー登録を中止し、現在はBinanceJapanとして利用できるようになっています。
まとめ
ファントークは世界中で普及し始めており、日本のスポーツチームも例外ではありません。JリーグのY.S.C.C.横浜や湘南ベルマーレなども、ファントークンの発行をクラウドファンディングFiNANCiEを通じて行っています。
世界中でスタートしているファントークンは、試合観戦・ファンクラブとはまた違ったアスリートたちへの応援方法として期待されています。
この機会に応援しているチームのファントークンをチェックしてみてはいかがでしょうか