「テニスの4大大会やグランドスラムについて知りたい!」
「テニスのグランドスラムを制覇した選手はだれがいる?」
「テニスのグランドスラムの優勝者の賞金やコートの特徴は?」
今回の記事では、このような疑問に答えていきます。
テニスファンならだれもが憧れる大会として、グランドスラムとよばれるテニス4大大会があります。テニスファンではない方でもグランドスラムという言葉は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
ですが、実際のところグランドスラムとはいったい何のことか、よく分かっていないという方も多くいらっしゃると思います。
そこで今回の記事では、テニス4大大会について、グランドスラムの達成条件や達成した過去の選手について紹介します。
それぞれの大会について賞金やコートなどの特徴も解説しています
テニスの4大大会とは?
テニスの4大大会とは、特に規模が大きく名誉のある4つの国際大会を指します。
その4つの大会とは、
- 全豪オープン(オーストラリア)
- 全仏オープン(フランス)
- 全英オープン(イギリス)
- 全米オープン(アメリカ)
の4つです。
4つの大会はそれぞれの開催地で、毎年、時期をずらして開催されます。
世界中から強豪選手が集まるハイレベルな国際大会です。
これら4つの大会は大会自体の規模や賞金額がほかの大会に比べて大きく、テニス選手の個人ランキングにも多大な影響を与える重要度が非常に高い大会です。
そのため4大大会のどれかで優勝することは、多額の賞金と名誉が得られると同時に、他の大会でのシード権獲得や予選免除などのメリットも得られることもあります。
テニス4大大会を全て制覇することをグランドスラムと呼ぶ
これらのテニス4大大会のすべてで優勝することをグランドスラムと呼びます。
世界中辛強豪選手が集まる4大大会では、一つの大会で優勝することも非常に難しく、4大会すべてを制覇した選手は数少ないです。
また後ほど詳しく解説しますが、4つの大会は開催地と開催時期以外にも、コートの種類などにも違いがあります。
コートの違いや開催地による時差の違いなどによって、相性が変わる選手も多いです。
そのため、4つの大会すべてで優勝することは、強豪選手でも難易度が高く、非常に名誉のあることであり、グランドスラムという称号で呼ばれています。
グランドスラムには、優勝した時期によって、年間グランドスラムと生涯グランドスラムの2種類があります。
生涯グランドスラムと年間グランドスラムの違いについて
生涯グランドスラムと年間グランドスラムの違いは、4大会を優勝した時期によるものです。
生涯グランドスラムとは、同じ選手が複数年にわたって4大大会のすべてで優勝を経験すると得られる称号です。
生涯グランドスラムはキャリアグランドスラムとも呼ばれます。
これに対して年間グランドスラムとは、同じひとつの年にすべての4大大会で優勝することを呼びます。
4つの大会のすべてを優勝する生涯グランドスラムも非常に難易度の高いことですが、それをひとつの年にすべて達成する年間グランドスラムはより難易度が高く名誉のある称号とされています。
テニスの4大大会はATP・WTAが管理している
これまで紹介したテニスの4大大会は、すべてATP・WTAが運営している大会です。
- ATPとは「男子プロテニス協会(Association of Tennis Professional)」の略。
- WTAとは「女子テニス協会(Women’s Tennis Association)」の略。
それぞれプロテニスを統括する組織で、男子プロテニスと女子プロテニスの世界ツアーを運営する協会です。
世界ツアーの中で4大大会はトップレベルの大会として位置づけられています。
4大大会のほかにはATPマスターズ1000やWTAプレミアマンダトリーと呼ばれるツアーが開催されています。
テニスの4大大会は出場資格あり
これらのテニス4大大会に出場するには出場資格を満たす必要があります。
4大大会のそれぞれには128人という出場枠が設けられています。この枠内に入らなければ、プロテニスプレイヤーであっても4大大会には出場することができません。
128人のうち104人は、ストレートインと呼ばれ、予選なしで大会への出場資格を獲得できます。この104人は世界ランキングの104位までの選手で決定されます。
続いて8人が選出されます。これらは主催者の推薦によって選ばれるワイルドカードと呼ばれます。
ランキング下位に属しているが将来が有望とされる開催国の若手選手などが選ばれる傾向にあります。
残りの16枠は、予選トーナメントによって決定されます。この16枠は128人の選手によって争われます。
テニスの4大大会で年間グランドスラムを達成した人は?
テニスの4大大会でグランドスラムを達成した選手は誰がいるのでしょうか?
シングルスのテニス4大大会をひとつの年ですべて制覇する年間グランドスラムを達成した選手は以下の5人です。
選手名 | 所属国 | 性別 | 達成年数 |
---|---|---|---|
ドン・バッジ | アメリカ | 男性 | 1938年 |
ロッド・レーバー | オーストラリア | 男性 | 1962年 1969年 |
モーリーン・コノリー | アメリカ | 女性 | 1953年 |
マーガレット・スミス・コート | オーストラリア | 女性 | 1970年 |
シュテフィ・グラフ | ドイツ | 女性 | 1988年 |
初めて年間グランドスラムを達成したのは、アメリカのドン・バッジ選手です。この活躍がきっかけで、4大大会を総称してグランドスラムと呼ばれるようになりました。
またロッド・レーバー選手は、唯一年間グランドスラムを2度も達成した選手です。
モーリーン・コノリー選手は史上2番目の年間グランドスラム達成者であり、女性選手で初めて年間グランドスラムを達成した選手です。
この3人に加えて、マーガレット・スミス・コートとシュテフィ・グラフの5人が年間グランドスラムを達成したことがあるテニス選手です。
80年以上もの間にたった5人しか達成したことがないということで、年間グランドスラムがいかに難易度の高いことなのかがわかりますね。
テニスの4大大会でキャリアグランドスラムを達成した人は?
では少し範囲を広げて、テニスの4大大会を生涯を通して制覇した生涯グランドスラムの達成者を見てみましょう。
これまでにシングルスで生涯グランドスラムを達成したテニス選手は以下の18名です。
選手名 | 所属国 | 性別 | 達成年 | 全豪 | 全仏 | 全英 | 全米 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
フレッド・ペリー | イングランド | 男性 | 1937年 | 1934年 | 1935年 | 1937年 | 1933年 |
ドン・バッジ | アメリカ | 男性 | 1938年 | 1938年 | 1938年 | 1937年 | 1937年 |
モーリーン・コノリー | アメリカ | 女性 | 1953年 | 1953年 | 1953年 | 1952年 | 1951年 |
ドリス・ハート | アメリカ | 女性 | 1954年 | 1949年 | 1950年 | 1951年 | 1954年 |
シャーリー・フライ | アメリカ | 女性 | 1957年 | 1957年 | 1951年 | 1956年 | 1956年 |
ロッド・レーバー | オーストラリア | 男性 | 1962年 | 1960年 | 1962年 | 1961年 | 1962年 |
マーガレット・スミス・コート | オーストラリア | 女性 | 1963年 | 1960年 | 1962年 | 1963年 | 1962年 |
ロイ・エマーソン | オーストラリア | 男性 | 1964年 | 1961年 | 1963年 | 1964年 | 1961年 |
ビリー・ジーン・キング | アメリカ | 女性 | 1972年 | 1968年 | 1972年 | 1966年 | 1967年 |
クリス・エバート | アメリカ | 女性 | 1982年 | 1982年 | 1974年 | 1974年 | 1975年 |
マルチナ・ナブラチロワ | アメリカ | 女性 | 1983年 | 1981年 | 1982年 | 1978年 | 1983年 |
シュテフィ・グラフ | ドイツ | 女性 | 1988年 | 1988年 | 1987年 | 1988年 | 1988年 |
アンドレ・アガシ | アメリカ | 男性 | 1999年 | 1995年 | 1999年 | 1992年 | 1994年 |
セリーナ・ウィリアムズ | アメリカ | 女性 | 2003年 | 2003年 | 2002年 | 2002年 | 1999年 |
ロジャー・フェデラー | スイス | 男性 | 2009年 | 2004年 | 2009年 | 2003年 | 2004年 |
ラファエル・ナダル | スペイン | 男性 | 2010年 | 2009年 | 2005年 | 2008年 | 2010年 |
マリア・シャラポワ | ロシア | 女性 | 2012年 | 2008年 | 2012年 | 2004年 | 2006年 |
ノバク・ジョコビッチ | セルビア | 男性 | 2016年 | 2008年 | 2016年 | 2011年 | 2011年 |
年間グランドスラムの達成者も含めています。
長い選手では6年以上かけて生涯グランドスラムを達成している選手もいます。
中には同じ1年ではないものの、2年をまたいで4大会連続して優勝している選手もいます。
テニスは生涯スポーツとして多くの人に長年親しまれるほどのスポーツであり、長く活躍している選手は数多くいます。
それでも選手生活の中で4大大会のすべてを制覇する生涯グランドスラムの達成者はたった18名という少なさであると分かりました。
それほどまでにグランドスラムを達成することは難しく、その分名誉のあることであるといえます。
テニス4大大会の各コートの特徴・開催国・開催時期・優勝賞金を紹介
ここからはグランドスラムに関わるテニス4大大会について、ひとつひとつを詳しく見ていきます。
それぞれの開催国と開催時期、コートの特徴や優勝賞金についてもまとめています。なお、優勝賞金の額はシングルスのものを記入しています。
4大大会の違いを知ると、グランドスラムを達成することがどうしてここまで難しいことなのかが見えてきますよ。
①全豪オープン
開催時期 | 1月 |
開催場所 | オーストラリアのメルボルン (メルボルン・パーク) |
コートの種類 (サーフェス) | ハード |
2022年の優勝賞金 | 2,875,000オーストラリアドル (約2億3700万円) |
特徴 | 唯一、南半球で開催される大会 |
1年で最初に開催されるテニス4大大会は、オーストラリアのメルボルンで毎年1月に開催される全豪オープンです。
4大大会の中で唯一南半球で開催される大会で、1月に実施されますが真夏に行われます。
テニスの強豪選手が多いヨーロッパやアメリカは同時期には冬に当たるため、多くの選手が気温の違いによる体調管理に苦労する大会です。
オフの時期から最初に行われる大会であること、強豪選手にとって移動距離が長く、コンディションの調整が大変になることなどが原因で、強豪選手がいつもどおりの実力を発揮できずに終わるケースが多くみられます。
4大大会の中では最も番狂わせが起こりやすいと言われている理由はこの点にあります。
②全仏オープン
開催時期 | 5-6月 |
開催場所 | フランスのパリ (スタッド・ローラン・ギャロス) |
コートの種類 (サーフェス) | クレー |
2022年の優勝賞金 | 2,200,000ユーロ (約2億9700万円) |
特徴 | クレーコート(赤土)で行われる |
次に開催される4大大会は、フランスのパリで開催される全仏オープンです。
多くのテニス大会ではハードコートを採用されているのに対し、全仏オープンではレンガの粉を固めた赤土でできたクレーコートを用いています。
ハードコートと比べると、バウンドした球の速度が落ちるため、クレーコートはラリーが続きやすいという特徴があります。
そのためサーブを得意とする選手より、ストロークを武器にする選手や体力に優れた選手の方が大会を制しやすいと言われています。
長いラリーを制する技術力や精神力が必要になる大会です。
③全英オープン(ウィンブルドン)
開催時期 | 6-7月 |
開催場所 | イギリスのロンドン (オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ) |
コートの種類 (サーフェス) | 芝 |
2022年の優勝賞金 | 2,000,000ポンド (約3億3300万円) |
特徴 | 歴史が長く伝統的な大会 |
続いて開催される4大大会が、イギリスのロンドンで開催される全英オープンです。
ウィンブルドンで開催されるため、通称ウィンブルドンとも呼ばれる大会です。
4大大会の中でも最も開催歴が長く、伝統を重んじる大会でもあります。
その表れとして例えば、選手は練習の段階から全身白いウェアを着用することを義務付けられています。
コートの種類は天然の芝生を用いたグラスコートで、クレーコートと反対にバウンドした球の速度が落ちにくく速い球になるのが特徴です。
グラスコートでは高速サーブが活きやすいため、サーブを得意とする選手が有利に戦うことができると言われています。
④全米オープン
開催時期 | 8-9月 |
開催場所 | アメリカのニューヨーク (USTAビリー・ジーン・キング・ナショナルテニスセンター) |
コートの種類 (サーフェス) | ハード |
2022年の優勝賞金 | 2,600,000アメリカドル (約3億5700万円) |
特徴 | 最高賞金額の大会 |
1年の最後に開催されるのは、アメリカのニューヨークで開催される全米オープンです。
2022年の賞金総額は60,102,000ドル(約82億6000万円)と、他の大会より群を抜いて高い金額です。
会場の「USTAビリー・ジーン・キング・ナショナルテニスセンター」にある「アーサー・アッシュ・スタジアム」のハードコートで試合が行われます。
このスタジアムはおよそ2万5000人を収容できる世界でも特に規模が大きい会場です。
賞金額、会場の規模ともにテニス4大大会の最後を締めくくるのにふさわしい、世界最大のテニス大会と言われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、テニス4大大会について、グランドスラムの達成条件や達成した過去の選手について紹介してきました。
テニスにおける4大大会の重要性と、グランドスラムを達成することがいかに難しく、また名誉なことであるかがおわかりいただけましたでしょうか。
テニス4大大会は世界から強豪選手が集まるため、視聴するだけでも白熱した試合を楽しむことができる人気の大会です。
今回の記事でグランドスラムについて知識を深めることで、よりテニス観戦が楽しいものになれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました!