バロンドールはサッカーにおいて世界一の選手の称号で、サッカー選手であれば誰しもが憧れる栄誉ある賞の一つです。
近年はクリスティアーノ・ロナウドもしくはリオネル・メッシが受賞することが多く、バロンドールと言えばC・ロナウドかメッシという印象を持っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、バロンドールの歴代受賞者や歴代受賞回数ランキング、バロンドールのルーツや投票方法についても詳しく解説していきます。
それでは見ていきましょう!
バロンドールの歴代受賞者について
まずは年度別の表彰者を見てみましょう。
年度 | 選手名 | 国 | 所属 |
---|---|---|---|
2023年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | インテル・マイアミ |
2022年 | カリム・ベンゼマ | フランス | レアル・マドリード |
2021年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | パリ・サンジェルマン |
2020年 | 中止 | ||
2019年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | バルセロナ |
2018年 | ルカ・モドリッチ | クロアチア | レアル・マドリード |
2017年 | クリスティアーノ・ロナウド | ポルトガル | レアル・マドリード |
2016年 | クリスティアーノ・ロナウド | ポルトガル | レアル・マドリード |
2015年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | バルセロナ |
2014年 | クリスティアーノ・ロナウド | ポルトガル | レアル・マドリード |
2013年 | クリスティアーノ・ロナウド | ポルトガル | レアル・マドリード |
2012年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | バルセロナ |
2011年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | バルセロナ |
2010年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | バルセロナ |
2009年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | バルセロナ |
2008年 | クリスティアーノ・ロナウド | ポルトガル | マンチェスター・U |
2007年 | カカ | ブラジル | ミラン |
2006年 | ファビオ・カンナヴァーロ | イタリア | ユヴェントス |
2005年 | ロナウジーニョ | ブラジル | バルセロナ |
2004年 | アンドリー・シェフチェンコ | ウクライナ | ミラン |
2003年 | パベル・ネドベド | チェコ | ユヴェントス |
2002年 | ロナウド | ブラジル | レアル・マドリード |
2001年 | マイケル・オーウェン | イングランド | リヴァプール |
2000年 | ルイス・フィーゴ | ポルトガル | レアル・マドリード |
1999年 | リバウド | ブラジル | バルセロナ |
1998年 | ジネディーヌ・ジダン | フランス | ユヴェントス |
1997年 | ロナウド | ブラジル | インテル |
1996年 | マティアス・ザマー | ドイツ | ドルトムント |
1995年 | ジョージ・ウェア | リベリア | ミラン |
1994年 | フリスト・ストイチコフ | ブルガリア | バルセロナ |
1993年 | ロベルト・バッジョ | イタリア | ユヴェントス |
1992年 | マルコ・ファン・バステン | オランダ | ミラン |
1991年 | ジャン=ピエール・パパン | フランス | マルセイユ |
1990年 | ローター・マテウス | ドイツ | インテル |
1989年 | マルコ・ファン・バステン | オランダ | ミラン |
1988年 | マルコ・ファン・バステン | オランダ | ミラン |
1987年 | ルート・フリット | オランダ | ミラン |
1986年 | イゴーリ・ベラノフ | ソビエト連邦 | ディナモ・キエフ |
1985年 | ミシェル・プラティニ | フランス | ユヴェントス |
1984年 | ミシェル・プラティニ | フランス | ユヴェントス |
1983年 | ミシェル・プラティニ | フランス | ユヴェントス |
1982年 | パオロ・ロッシ | イタリア | ユヴェントス |
1981年 | カール=ハインツ・ルンメニゲ | 西ドイツ | バイエルン |
1980年 | カール=ハインツ・ルンメニゲ | 西ドイツ | バイエルン |
1979年 | ケビン・キーガン | イングランド | ハンブルガーSV |
1978年 | ケビン・キーガン | イングランド | ハンブルガーSV |
1977年 | アラン・シモンセン | デンマーク | ボルシアMG |
1976年 | フランツ・ベッケンバウアー | 西ドイツ | バイエルン |
1975年 | オレグ・ブロヒン | ソビエト連邦 | ディナモ・モスクワ |
1974年 | ヨハン・クライフ | オランダ | アヤックス |
1973年 | ヨハン・クライフ | オランダ | アヤックス |
1972年 | フランツ・ベッケンバウアー | 西ドイツ | バイエルン |
1971年 | ヨハン・クライフ | オランダ | アヤックス |
1970年 | ゲルト・ミュラー | 西ドイツ | バイエルン |
1969年 | ジャンニ・リベラ | イタリア | ミラン |
1968年 | ジョージ・ベスト | 北アイルランド | マンチェスター・U |
1967年 | アルベルト・フローリアン | ハンガリー | フェレンツ・ヴァーロシュ |
1966年 | ボビー・チャールトン | イングランド | マンチェスター・U |
1965年 | エウゼビオ | ポルトガル | ベンフィカ |
1964年 | デニス・ロー | スコットランド | マンチェスター・U |
1963年 | レフ・ヤシン | ソビエト連邦 | ディナモ・モスクワ |
1962年 | ヨゼフ・マソプスト | チェコスロバキア | ドゥクラ・プラハ |
1961年 | オマール・シボリ | イタリア | ユヴェントス |
1960年 | ルイス・スアレス | スペイン | バルセロナ |
1959年 | アルフレッド・ディ・ステファノ | スペイン | レアル・マドリード |
1958年 | レイモン・コパ | フランス | レアル・マドリード |
1957年 | アルフレッド・ディ・ステファノ | スペイン | レアル・マドリード |
1956年 | スタンリー・マシューズ | イングランド | ブラックプール |
2008年以降はクリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシがほとんどの年で受賞していることが分かります。
逆に言えば、2人と同世代でバロンドールを獲得したルカ・モドリッチやカリム・ベンゼマは、その2人を差し置いて受賞するほど素晴らしい活躍をしたということになりますね。
その他往年の受賞者を見ると、ロナウジーニョやジダン、プラティニなど各世代を代表する選手がバロンドーラーに選ばれています。
ちなみに「バロンドールの呪い」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
今までバロンドールを受賞した選手が属する代表国は、翌年のワールドカップで優勝できないというジンクスから呪いと言われるようになりました。
受賞年 | 受賞選手 | 国籍 | W杯開催年 | 結果 |
---|---|---|---|---|
2021年 | メッシ | アルゼンチン | 2022年 | 優勝 |
2017年 | C・ロナウド | ポルトガル | 2018年 | ベスト16 |
2013年 | C・ロナウド | ポルトガル | 2014年 | グループステージ |
2009年 | メッシ | アルゼンチン | 2010年 | ベスト8 |
2005年 | ロナウジーニョ | ブラジル | 2006年 | ベスト8 |
2001年 | オーウェン | イングランド | 2002年 | ベスト16 |
1997年 | ロナウド | ブラジル | 1998年 | 準優勝 |
1993年 | バッジョ | イタリア | 1994年 | 準優勝 |
1989年 | ファン・バステン | オランダ | 1990年 | ベスト16 |
1985年 | プラティニ | フランス | 1986年 | ベスト4 |
1981年 | ルンメニゲ | 西ドイツ | 1982年 | 準優勝 |
2022年カタールワールドカップでアルゼンチン代表が優勝したことにより、ついにバロンドールの呪いという負のジンクスは破られました。
2023年にメッシはアメリカのインテル・マイアミに移籍しましたが、前年度のワールドカップでの活躍もあり、バロンドールを受賞しています。
ついにメッシも5大リーグ以外のクラブへ移籍し、今後の受賞可能性は極めて低くなったため、2024年以降は新たなニュースター達の争いが現実的とされています。
そもそもサッカーは団体競技の為、世界一の選手がいたとしても優勝できるとは限りませんよね!
リオネル・メッシはバロンドールもワールドカップも勝ち取り、個人としてもチームとしても世界一の称号を手にしました。
バロンドールの歴代受賞回数ランキング
順位 | 選手名 | 国籍 | 受賞回数 | 受賞年度 |
---|---|---|---|---|
1位 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | 8 | 2009年 2010年 2011年 2012年 2015年 2019年 2021年 2023年 |
2位 | クリスティアーノ・ロナウド | ポルトガル | 5 | 2008年 2013年 2014年 2016年 2017年 |
3位 | ミシェル・プラティニ | フランス | 3 | 1983年 1984年 1985年 |
〃 | ヨハン・クライフ | オランダ | 3 | 1971年 1973年 1974年 |
〃 | マルコ・ファン・バステン | オランダ | 3 | 1988年 1989年 1992年 |
6位 | フランツ・ベッケンバウアー | ドイツ | 2 | 1972年 1976年 |
〃 | ロナウド | ブラジル | 2 | 1997年 2002年 |
〃 | アルフレッド・ディ・ステファノ | スペイン | 2 | 1957年 1959年 |
〃 | ケビン・キーガン | イングランド | 2 | 1978年 1989年 |
〃 | カール=ハインツ・ルンメニゲ | ドイツ | 2 | 1980年 1981年 |
こちらの表を見るとメッシの受賞回数が異次元であることが一目で分かります。
C・ロナウドが5大リーグ以外のクラブチームへ移籍したため、どれだけ活躍してもバロンドールに選ばれることは限りなくゼロに近く、メッシの記録を抜くことは厳しいでしょう。
とはいえメッシもマイアミのクラブチームへ移籍したことにより、2023年を最後に最多受賞回数を更新することはおそらくありませんので、C・ロナウドとメッシがサッカー界のトップに君臨する時代も一区切りついたことになります。
今後メッシの偉大な記録を抜く選手が現れるかは分かりませんが、キリアン・エムバペやアーリング・ハーランドなど若手でメッシクラスの怪物は誕生しています。
現在サッカー界は一つの転換期を迎えていますので、新時代のエース達がメッシ、C・ロナウド級のインパクトを残し続けることができるか楽しみにしていましょう。
現在のサッカー選手ランキングは下記の記事を参考にしてください!
バロンドールとは?
概要 | 詳細 |
---|---|
表彰対象者 | UEFAに加盟するクラブでプレーしている選手 |
表彰場所 | フランス・パリのシャトレ座 |
表彰時期 | 候補者は8月12日 表彰式は10月17日 |
対象期間 | 8月から翌年7月までの内容 |
選考方法 | 各国代表チームの監督と主将及び、 サッカー記者の合計約400名による投票 |
そもそもバロンドールとはフランス語で黄金の球を意味し、1956年にフランスのサッカー専門誌「フランス・フットボール」の専門記者であるガブリエル・アノ氏が提唱したことがきっかけで、欧州のみの年間最優秀選手賞が創設されました。
その後は1956年から1994年まで、欧州の中で活躍した選手だけが選ばれ続けます。
しかし、サッカーの神と呼ばれたペレやマラドーナといった南米の偉人たちに受賞の権利さえ与えられないのはおかしいとなり、1995年からUEFAに加盟するクラブでプレーしている選手がバロンドールの受賞対象となりました。
その後はロナウドやロナウジーニョ、カカといったブラジル人選手が欧州国籍以外の選手でバロンドールを手にしています。
バロンドールがフランス語で選考基準に偏りがあったのも、FIFAではなくフランスのサッカー専門誌が発端だからということですね。
もしかしたらペレやマラドーナが一度もバロンドールを受賞していないことに疑問を持った方もいらっしゃるかもしれませんが、当時は欧州の選手のみが選ばれていたということですね!
バロンドール発足当時から受賞対象が世界のサッカー選手全てであれば、最多受賞回数の歴史も変わっていたかもしれません。
FIFA最優秀選手賞について
バロンドールとは選考基準が違い、国際サッカー連盟FIFAが発足したFIFA最優秀選手賞というものがあります。
FIFA加盟国の代表監督及び主将による投票という形式が特徴です。
現在は、The Best FIFA Football Awardsと呼ばれています。
表彰の開催は基本2月に行われます。
年度 | 選手名 | 国籍 | 所属クラブ |
---|---|---|---|
2022年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | パリ・サンジェルマン |
2021年 | ロベルト・レヴァンドフスキ | ポーランド | バイエルン・ミュンヘン |
2020年 | ロベルト・レヴァンドフスキ | ポーランド | バイエルン・ミュンヘン |
2019年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | バルセロナ |
2018年 | ルカ・モドリッチ | クロアチア | レアル・マドリード |
2017年 | クリスティアーノ・ロナウド | ポルトガル | レアル・マドリード |
2016年 | クリスティアーノ・ロナウド | ポルトガル | レアル・マドリード |
2015年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | バルセロナ |
2014年 | クリスティアーノ・ロナウド | ポルトガル | レアル・マドリード |
2013年 | クリスティアーノ・ロナウド | ポルトガル | レアル・マドリード |
2012年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | バルセロナ |
2011年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | バルセロナ |
2010年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | バルセロナ |
2009年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | バルセロナ |
2008年 | クリスティアーノ・ロナウド | ポルトガル | マンチェスター・ユナイテッド |
2007年 | カカ | ブラジル | ACミラン |
2006年 | ファビオ・カンナヴァーロ | イタリア | ユヴェントス レアル・マドリード |
2005年 | ロナウジーニョ | ブラジル | バルセロナ |
2004年 | ロナウジーニョ | ブラジル | バルセロナ |
2003年 | ジネディーヌ・ジダン | フランス | レアル・マドリード |
2002年 | ロナウド | ブラジル | インテル レアル・マドリード |
2001年 | ルイス・フィーゴ | ポルトガル | レアル・マドリード |
2000年 | ジネディーヌ・ジダン | フランス | ユヴェントス |
1999年 | リバウド | ブラジル | バルセロナ |
1998年 | ジネディーヌ・ジダン | フランス | ユヴェントス |
1997年 | ロナウド | ブラジル | バルセロナ、インテル |
1996年 | ロナウド | ブラジル | PSV、バルセロナ |
1995年 | ジョージ・ウェア | リベリア | パリ・サンジェルマン ACミラン |
1994年 | ロマーリオ | ブラジル | バルセロナ |
1993年 | ロベルト・バッジョ | イタリア | ユヴェントス |
1992年 | マルコ・ファン・バステン | オランダ | ACミラン |
1991年 | ローター・マテウス | ドイツ | インテル |
UEFA欧州最優秀選手賞について
UEFA欧州最優秀選手賞は、欧州サッカー連盟(UEFA)と欧州スポーツ雑誌組合(ESM)が共同で主催しており、ヨーロッパのクラブチームでプレーする最も優れた選手に与えられる賞のことです。
ジャーナリストと、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグに出場した80クラブの監督によって投票されます。
表彰は8月末のCLグループステージ抽選会の際に行われます。
対象シーズン | 受賞者 | 国籍 | 所属クラブ |
---|---|---|---|
2022-2023年 | アーリング・ハーランド | ノルウェー | マンチェスター・シティ |
2021-2022年 | カリム・ベンゼマ | フランス | レアル・マドリード |
2020-2021年 | ジョルジーニョ | イタリア | チェルシー |
2019-2020年 | ロベルト・レヴァンドフスキ | ポーランド | バイエルン・ミュンヘン |
2018-2019年 | フィルジル・ファン・ダイク | オランダ | リバプール |
2017-2018年 | ルカ・モドリッチ | クロアチア | レアル・マドリード |
2016-2017年 | クリスティアーノ・ロナウド | ポルトガル | レアル・マドリード |
2015-2016年 | クリスティアーノ・ロナウド | ポルトガル | レアル・マドリード |
2014-2015年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | バルセロナ |
2013-2014年 | クリスティアーノ・ロナウド | ポルトガル | レアル・マドリード |
2012-2013年 | フランク・リベリー | フランス | バイエルン・ミュンヘン |
2011-2012年 | アンドレス・イニエスタ | スペイン | バルセロナ |
2010-2011年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | バルセロナ |
2022-2023年には次世代を象徴するアーリング・ハーランドが受賞しています。
ハーランドは昨季、公式戦53試合出場で52得点と目覚ましい活躍。チームはリーグ優勝、FA杯優勝、欧州チャンピオンズリーグ優勝の3冠達成、誰だ見ても申し分ない活躍と結果ですね!
2022-23からバロンドールの投票ルールが変更されている
2022年3月、フランス・フットボールはバロンドールの選考ルールを変更すると発表しました。
実際何が変更になったのかというと、選考期間です。
今まではカレンダーの暦通りで、1月1日~12月31日の活躍を対象としていました。
しかし今後はシーズン毎、8月から翌年の7月までを選考期間として投票するようになっています。
つまり2023年のバロンドール表彰には、2022年カタールワールドカップの成績も反映されたということですね。
カタールワールドカップではアルゼンチン代表が優勝して最優秀選手にもメッシが選ばれていますので、忖度なしに総合的な判断でメッシがバロンドール受賞したということですね。
まとめ
いかがでしたか。
今回の内容をまとめると以下になります。
- バロンドールの最多受賞者はリオネル・メッシ
- 1994年までは欧州限定、1995年から全世界の選手が対象となっている
- 各国代表チームの監督と主将及び、サッカー記者で投票するのがバロンドール
- FIFA加盟国の代表監督及び主将により投票されるのがFIFA最優秀選手賞
- ジャーナリストと、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグに出場した80クラブの監督によって投票されるのがUEFA欧州最優秀選手賞
- 2022-23からバロンドールの投票期間がシーズン毎に変わっている
- C・ロナウドやメッシの時代は終幕し、2024年から次世代スターたちの争いが始まっている
似たような賞が3つあるのは分かりづらいですが、ひとまずバロンドールに輝いた選手がNo.1選手ということは覚えておきましょう!