「サッカーでよく聞くアディショナルタイムって何のこと?」
「アディショナルタイムってどうやって決めているの?」
「アディショナルタイムの最長記録が知りたい!」
今回の記事では、このような声にお答えしていきます!
サッカーの特徴的なルールとしてアディショナルタイムがあります。試合終了後に追加される時間のことですが、実際の長さや決まり方についてはよく知らないという方も多いと思います。
そこで今回の記事では、サッカーのアディショナルタイムについて、意味・決め方・最長記録・ロスタイムとの違いなどを解説していきます。
アディショナルタイムは、試合の勝敗が変わることもある重要なルールです。
サッカーのアディショナルタイムとは?
サッカーのアディショナルタイムとは、試合の前半と後半それぞれの規定時間が過ぎた後に試合時間が追加されるルールのことです。
通常サッカーの試合は前半45分、後半45分の計90分間と規定されており、この時間中は時計が止まることはありません。
この45分間のうち試合が中断された時間分を追加し、空費された時間に関わらず公平にプレーできるようにしたのがアディショナルタイムです。
これに対してバスケットボールやアメリカンフットボールには、このようなルールはありません。
これらのスポーツではボールがコート外に出るなど試合が中断した時にその都度、時計が止められるため終了後に時間を追加する必要がないからです。
ロスタイムとは?
アディショナルタイムとは別にロスタイムという言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
結論として両者は同じ意味の言葉で、アディショナルタイムの別名として日本ではロスタイムが使われていました。
アディショナルタイムが「試合中にロスした時間を追加する」というルールであることから、ロスタイムという言葉が使われていたようです。
ただし2000年代に入ってからサッカー中継などでアディショナルタイムという呼び方が一般的になりました。
さらに2010年の審判委員会で、アディショナルタイムという名称を使うことが正式に定められ、現在では多くのテレビ中継や実況でこの呼び方が用いられています。
ロスタイムからアディッショナルタイムへ変わった理由とは
上記のように、現在ではロスタイムではなくアディショナルタイムという呼び方に統一されています。呼び方が統一された理由のひとつは、国際基準に合わせるためです。
ロスタイムはloss of timeを略して作られた和製英語として日本でしか使われていなかったため、より一般的な呼称が使われるようになりました。
もうひとつ大きな理由が、ポジティブな言葉遣いを重視したためです。
アディショナルタイムは「試合に加えられた時間」、ロスタイムは「試合中のロスした時間」という意味で使われています。
よりポジティブな印象を受ける言葉を採用しようというサッカー界の意識によって、アディショナルタイムという呼び方に統一されました。
失われた時間より追加された時間と捉える方がプレーする選手たちの気持ちも前向きになりそうですね。
アディショナルタイムの決め方は?
アディショナルタイムを何分間にするかは、明確な定義はなく主審の裁量で決められます。サッカーの試合では、審判のうちコート上を走りながら監視する主審が試合時間を管理しています。
主審は2つの腕時計を持っており、試合開始と同時に両方の時計をスタートさせます。
ひとつ目は一度も止めずに45分を測り、もうひとつはプレーが中断するたびに再開するまで時間を止めておきます。
試合終了時(ひとつめの時計が45分になった時)に、2つの時計を比較することで主審はアディショナルタイムを判断しているのです。
スタジアムでは審判のひとりが掲示板を掲げてアディショナルタイムを知らせます
アディショナルタイムにカウントされる行為とは?
アディショナルタイムとして加算されるのは、試合が中断した時間です。試合の中断としてカウントされる行為には、このようなものがあります。
- 選手の負傷
- 選手交代
- ビデオ判定
- 時間の浪費
- 警告や罰則、退場
- ゴール後のパフォーマンス
- フリーキックやスローインの前
- ボールがフィールド外に出る
フリーキックやスローインの前に過剰に時間を取ったり、意図的に時間を遅らせるような行為があった場合、アディショナルタイムの対象になります。
選手がプレーしていない時間や、ボールが止まっている時間をイメージするとわかりやすいですね。
アディショナルタイムが表記より長い理由とは?
アディショナルタイムとして発表される時間は最小の追加時間を意味し、主審はこの時間を増やすことができます。そのため4分と掲示された場合でも、実際の試合は4分以上続くことがあります。
アディショナルタイムが表記より長くなるのはなぜでしょうか?
主に以下の2点が理由として挙げられます。
①アディショナルタイム中に遅延が発生するため
アディショナルタイム中に遅延が発生したことで、試合時間が長くなることがあります。選手の負傷やフリーキックなどは、アディショナルタイム中にも起こります。
中断された時間は主審によって測られているので、さらにアディショナルタイムとして加算されることになります。
アディショナルタイムも試合時間に変わりはないため、引き続きルールが適用されます。
②得点が決まりそうなタイミングは試合を終了させてはいけないため
試合の中断以外にも、アディショナルタイムが延長されることがあります。これは、得点が決まりそうなタイミングでは試合を終了させてはいけないことになっているためです。
例えば、攻めているチームが相手のゴール付近でボールを回している場合など、得点に繋がりそうなプレー中は、アディショナルタイムが終了していても主審は試合を止めません。
攻守の入れ替わったときや、ボールがセンターラインの方へ移動したタイミングで試合が終了されます。
試合終了の判断も、主審の裁量に任されています。
中には、試合終了を知らせるホイッスルの直後にゴールが決まってしまい、得点が認められなかったという試合もあります。
アディショナルタイムの平均はどのくらいなの?
平均的なアディショナルタイム3分~4分ほどと言われています。
アディショナルタイムは最小の追加時間を意味するため、4分と宣言された場合は4分0秒~4分59秒のアディショナルタイムが追加されたことになります。
上記のとおりアディショナルタイムがさらに延びる場合もあります
2022年ワールドカップでは例年よりもアディショナルタイムが長く、平均10分ほど取られていました。
これは、試合が中断された時間をより厳密に計測するという方針が国際サッカー連盟(FIFA)から出されていたためです。
今後はアディショナルタイムがより正確に測られることで、従来より長くなっていく可能性があります。
アディショナルタイムの最長・最大はどのくらいなの?
では、これまでに最も長かったアディショナルタイムは何分だったのでしょうか?
過去最長のアディショナルタイムが取られたのは、イングランドのチェシャー・シニア・カップの中での28分という記録です。
この試合では、プレー中の接触で負傷した選手が、フィールド上で処置を受け、病院に搬送されることがありました。
そのため長い間試合が中断し、過去に例がない長さのアディショナルタイムが追加されたのです。
アディショナルタイムが長いと、追加得点や勝敗の変動の可能性があり見応えがある一方で、選手の体力や健康状態に影響を及ぼす面もあります。
アディショナルタイムは、その長さによって選手の戦略や試合展開に大きな影響を及ぼす見逃せないルールなのです。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では、サッカーのアディショナルタイムについて、意味や決め方、ロスタイムとの違い、平均的な長さや最長記録などを解説してきました。
たった3分のアディショナルタイムでも、得点が入り勝敗が逆転することが数多くあります。
追加された時間で選手がいかにチャンスを手にするかは、最後まで見逃せません!
最後までご覧いただきありがとうございました!